スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

全速力で家に帰る最中、足がもつれ何度も転んだ。


私の一日が、誰かの手によって丸ごと写真におさめられている。
誰かの目によって一日中監視されている。


生まれて初めて身の危険を感じた。


交差点で信号待ちをしている最中も、寒気が止まらず体がガクガクと震えた。


誰かが私を見ている。
大都会の人混みに紛れて。



「……っ」



しゃがみ込んで泣き出す私に、道行く人々は怪訝な目を向けているだろう。
漏れ出る嗚咽を噛み殺す。


周りにこんなに人がいるのに
私は一人ぼっちだ。


……どうしよう。


怖くて、
立てない。



「たすけて……」



いつだって真っ先に顔が浮かぶ。


一番会いたいあの人には


会えない。