スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

窓の外に流れる景色を見ながら、どうしても春木さんの事を考えてしまう。


『あいつに何したの?』


本当にそう言ったのだとしたら。

その瞬間の春木さんが
ほんの少しでも私の事を気にかけてくれたのだとしたら。



『こうして知らない街にいるとさ。自分て無力だなって思うんだ』

『俺がこのままカメラを置いてフラーってどこかへ消えたとしても。世界って普通に廻っていくんだろうな』



たった一人の外国で。
今、彼には何が見えているんだろう。



「ヒナちゃん」



運転席にいる一條さんの声で、はっと我に返った。


「ヒナちゃんの気持ちは、わかってるつもり。」


真っ直ぐ前を向いたまま。
こちらに視線を寄越さずに一條さんは言った。