スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

『ヒナちゃん』

「はい」

『会いたい。』


両手で携帯を握りしめる。
他の言葉を探す余裕なんてあるはずなかった。


「私も、」

『うん?』

「一條さんに会いたい。会いたいです」



一瞬の沈黙の後。



『事務所?』

「もう家です」

『場所教えて。迎えにいくよ』

「はい……」



どこまでも優しい彼に
私は結局、都合良く甘えてしまう。


一條さんはいつも、陽だまりみたいにあたたかい。
だからこそ罪悪感が募る。


今日だけ。
今日だけ側にいてほしかった。

自分が壊れてしまう前に。