写真は、感性の世界だ。

自分の心に張り巡らせたアンテナに引っかかるものを片っ端から撮って、撮って。
そうしてここまで上ってきたんだ。


そんな自分の感覚に対する絶対的な自信が
今、揺らいでいた。


最近の俺には
見えないものも聞こえないものも多すぎる。


研ぎ澄まされた五感がなければ、この仕事は続けられない。
このまま外国に行ったって何のインスピレーションも湧かないだろう。



これ以上墜ちる訳にはいかない。
こんなところで腐ってる場合じゃない。



現状を打破するためには
全てを捨てる必要があった。