スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

深夜0時を過ぎても外のマスコミの数は減るばかりかどんどん増え続けていた。
俺かヒナが帰るところを狙っているんだろう。

予想を遥かに越える事態になってしまったが、最近の岳の注目度からすると当然なのかもしれない。


俺も事務所に残り、徹夜で仕事をする事にした。


ヒナをソファに寝かせ、やっと調子が出てきたところで携帯電話が鳴った。
表示されたのは知らない番号だったが、一瞬躊躇った後耳に当てる。


『春木リョウさんですか?△△テレビですが、アシスタントの方についてお話伺えればと…』


畳みかけるような質問の途中で電話を切った。


俺の携帯の番号までマスコミに流れている。
この分じゃ、今晩だけで何件電話がくるかわからない。


大きくため息を吐き、携帯の電源を落とす。
と、横になっていたヒナがこちらに顔を向けた。


「……春木さん。ごめんなさい」


今にも消え入りそうな
か細い声が耳に届いた。