スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

「どこがありきたりなんですか!その辺のポスターとは段違いのクオリティーなのに!」

コーヒーカップの後片付けをしながら、ヒナは頭から湯気でも出そうな勢いで怒っている。


「客が気に入らないんだからしょうがないよ」


いくら写真にこだわろうと、最後にそれでは意味がなかった。


壁にかけられたカレンダーに目をやると、ニューヨーク行きは今月に迫っていた。
他の仕事も抱えている中、このポスターがやり直しになったとなるとスケジュールに余裕が無くなる。


いつまでもかかりきりになる訳にもいかない。


早急に代替案を練るべく、デスクの上にいつも使っているスケッチブックを広げた。