スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

自分の身に何が起きたのかわからなかった。


一條さんの車を飛び出し、事務所に向かって階段を駆け上がる。


後ろで彼が何か言っていたかもしれない。
言っていなかったかもしれない。


とにかく早くその場から逃げ出したくて、全力で走った。



どうしよう。


どうしよう、

どうしよう。



思考が全く追いつかない。なぜか泣きたい気分になった。




『好きかもしんない。』




一條さんが
私を?


冗談に決まってる。
夢に決まってる。



だけど、体は確かに覚えていた。



一條さんの唇の温度も
見たことないほど真剣な眼差しも。