スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜


「……どうしたんだよ」


俺は着ていたジャケットを脱ぎ、カレンの肩にかけた。


「大丈夫だよ。お前なら」


カレンは反応せず、ただポロポロと涙を流すばかりだ。


「そういうの全部旦那に言えよ。一番近くにいるんだから」

「旦那さんは、弱い女は嫌いなんだもん」


へへっと笑う彼女を見て
俺の心臓は性懲りもなく早鐘を打つ。


「最近よく思い出すの。リョウちゃんと付き合ってた頃の事。妊娠してから仕事セーブしてたんだけどいつの間にか本出す事が決まってて、カメラマンは春木リョウだっていうじゃない?久しぶりに二人っきりで話したくなっちゃったの。ごめんね」

「……旦那と上手くいってないの?」

「ううん。そうじゃない」


カレンはまた俯いて顔を歪める。


「そういうんじゃないんだけど……」