熱に浮かされたような日々は、あっけなく終わりを告げた。
「好きな人が出来たの。」
付き合って二年が過ぎたある朝、散らばった衣服を身につけながら彼女は言った。
ベッドサイドに座り、俺に背中を向けている。
「……は?」
「本当だよ。だから、リョウちゃんとはもうお終い。」
未だ夢の世界から抜け出しきれずにいる俺の体は痺れたように動かなかった。
突然すぎる別れの言葉に、現実の手触りを感じない。
身支度を終えたカレンが立ち上がる。
「じゃあね。」
カレンは一度だけ俺を振り返り、玄関へと歩いていく。
「待てよ、」
靴を履くカレンの手首を、すんでのところで捕まえた。
「……好きなんだよ」

