スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

波打ち際で足を遊ばせながら。
彼女はゆっくり遠ざかっていく。



この気持ちは、何だろう。

俺は何を言おうとしているんだろう。



「……カレン、」



彼女が振り向いたと同時にシャッターを続けて押した。
切りすぎたという前髪が、しょっぱい潮風に揺れていた。



「全部わかってるよ」

「……」

「なにも変わんねぇよ。会えなくても」



カレンは不意をつかれたような顔で俺を見つめる。


なぜか俺は焦っていた。
彼女がこのまま泣き出す気がした。


けれど予想は外れた。


カレンはいつもより大人びた顔で笑ったんだ。



「そうだね。」



あの日
彼女は俺に何を訴えようとしていたんだろう。