スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

「は?」

「だって、仕事の時しか私の事撮ってくれないじゃん。プライベートの写真も一枚くらい残しておいてよ」


そのカメラで。と彼女は俺の首に下がっているデジタル一眼を指さした。


「毎日うんざりするほど撮られてるだろ。モデルなんだから」

「そうだけど。リョウちゃんに撮ってほしいんだもん」

「いいよ別に今更。しょっちゅう顔見てんだし」


気恥ずかしさから視線をそらす。



「……なーんだ。」



波の音に混じってカレンの声が聞こえた。



「そういうのがあればさ。会えない間も私の事考えててもらえるかなって思ったのに」

「……」

「これからもっと会えなくなっても覚えててもらえるかなって。私がリョウちゃんを好きって事も、全部忘れないでいてもらえるかなって」