スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

夏の夜明けは早い。
ひたすら車を走らせ目的地に到着する頃、頭上には抜けるような青空が広がっていた。

ラジオから流れてきた情報によると、どうやら今日も真夏日になるらしい。


「やっと着いた、着いた!」


カレンは後部座席からつばの広い帽子を取り頭に乗せると、外に飛び出した。
こんなものまで用意していたとは。
準備万端だな。


「おい!カレン」

「ん?」

「日焼けしていいのか?また事務所に怒られるぞ」


俺も車から降り、カレンの背中に問いかける。

連日撮影が目白押しのトップモデルをうっかり日焼けさせたなんて事になったら、俺にまで責任問題が生じそうだ。

だが本人は能天気な笑顔で言った。



「大丈夫。ちょっとだけ!」



絶対にちょっとじゃ済まない事も今までの付き合いから学んでいる。

ため息をその場に残し、後を追った。