スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜


「海に行きたい。」


ある夏の夜、仕事終わりで俺の家に来たカレンは既に眠っていた俺をわざわざ起こしてそう言った。

聞けばもうマンションの前まで車をつけているという。


……またいつもの急な思いつきか。


言い出したら聞かない彼女に逆らっても無駄だという事は、一緒にいるうちに学んでいた。


寝ぼけて使い物にならない頭を左右に振って、無理矢理覚醒させる。


すっかりその気のカレンに腕を引かれ、彼女の愛車の運転席に乗り込んだ。