二回目の西澤カレンの撮影日がやってきた。
今回は前回より少し広いスタジオだ。

ここで俺はまたしても、田宮ヒナの底力を知る事になる。



出版社の要望により数人の子ども達を混じえての撮影だった。
本のコンセプトが『マタニティライフ』なので、妊婦のカレンが子どもに囲まれた画が欲しいという訳だ。

が、さすが幼児は言う事を聞かない。

親があやしても、編集者がおもちゃでつっても、あちこちで自由気ままに遊んでいる。
終いにケンカしたり泣きわめく奴まで出てきた。


……これだから子どもは苦手だ。


撮影は遅々として進まず俺もカレンも周りのスタッフもイライラし始め、スタジオの空気が不穏なものになってきた。


「一回休憩挟むしかないか。」

「そうですね」


その休憩時間の事だ。