【短編】真夜中の王子




動揺しながらも近づく男。



「ここにいろよ?」




それだけ言って彼は立ち上がった。





あたしはこの後の事が想像できなくて頭を抱えて座り込んだ。





するとポンと頭を触られた。



顔を上げると彼がいた。




「大丈夫、もう来ないから」




安心しきってあたしの目から涙が溢れた。




「泣くなよ、日野」



彼はクスクス笑いながらあたしを宥める。




「ぅぅ…なんで名前知ってるの?」