レンガの塀に座り、家を見上げる。
 
裕樹がいない部屋
 
最後に言いたかった言葉は、ありがとうじゃない
 
本当はね…
 
──・・ガラッッ
 
裕樹の部屋の窓が開いた
 
裕樹だ。