「…こぉ─…ねぇこおー」
 
裕樹の声だ。
 
あたしは電柱の横でお行儀よく座り、一言
 
   ─…ここよ…─
 
裕樹はその声に気づき、あたしを抱き上げた。
あの暖かい温もりが帰ってきた