水城さんは歓喜の声を漏らした。 グッと足に地面の感覚が、戻ってきた。目の前には「職員室」とプレートの下がった部屋。 「確か、教頭先生でしたよね?では、バッチを貰いましょう」 「ああ、そうだな」 ノックを三回ほど、した後「どうぞ」と男の人の声が返ってきた。 ドアノブに手を置いて回しながら言った。 「失礼します。1年Sクラスの1番目、梓です。彼は」 水城さんも私に合わせて、挨拶をする。 「同じくSクラスの2番目、水城です」 「教頭先生、バッチを受け取りにお伺いしました」