サリフウリ魔法学園と神の子

なんて、いい子なんだ。


好きになりそうだ。



「あー、もう、変われ」



パッと音が遠ざかり、電話から遠い声で返せよと反抗する、凛斗となだめる藍斗の声が聞こえてくる。



「あ、もしもし?麗華?」



結局、凛斗は藍斗に負けたようだ。



「なんだ」



「さっさと戻れ」



「…お前に指図は受けたくない。霊力を押さえつけられて過ごす人の、気持ちなんて、お前にはわからないだろうな」



「はぁー、俺ら今すぐそっちに行く、怪我はねぇんだな?」



「あ?あるわけねぇだろ?」



「よかった、そっち行く」



プツッと切れて、携帯を折りたたみポケットへすべり込ませた途端。


ギュッと誰かが私を抱きしめようとする、気配が。


バッと、飛び退き刀を構える。



「凛斗」



「麗華」