部屋につき、梓は



「早紀」



と小声で呼んだ。


そのまま、先ほどリボンをとった執事さんが来て、にっこりと梓にイケメンスマイルを、向ける。


それに頷いて、梓は俺たちの方を向く。



「…改めまして、世界第1位大貴族、梓麗華と申します。黙っててごめんね。質問があればどうぞ」



無言で楓花が手を上げる。



「梓ちゃんの、さっきの翼と髪の毛について説明して」



梓は、こくんと頷いた。



「…あれは、私にかけられた、永久魔法のもの。永久魔法は、わかる?」



「あぁ」



永久魔法とは、普段の魔法とは違い、常にその魔法が霊力を使わずに使えるのだ。


だが、永久魔法をかけるには、本人ではかけられずある程度の霊力の持ち主が、命を代償に、かけるのだ。


そして、1つでも工程を間違えれば、無駄死してしまう。



「私には、2つ永久魔法がかけられてて。翼と蛇髪。髪の毛の魔法を蛇髪って言うんだけど…それを使ってる」