ヒュン。


風をきりながら、飛んでいく。


斬撃が。



「え」



戸惑った声が、悪魔から発せられる。


力を込めてから、約1秒。


悪魔は、上半身と下半身2つに分かれていた。


戸惑った悪魔の声を聞いて、ニコリと笑ってやる。



「だから、怖いんだよ…麗華は。周りが青ざめるような事を、爽やかな笑顔でやってしまう…だから、怖い」



実里がポツリとこぼした言葉が、心に刺さる。



「な、なんだこれは!?」



「私の剣術の初級中の初級だ。どうだ?身動きは取れないが痛くないだろう?それはな、これからいたぶるためにそうしてある」



「ひいっ!」



「どうする?魔界に戻るか?」



「…あ…ぁも、もろ、戻りま、す」



そうか、そう返して悪魔の背中を触る。



「?」



「さっさとしろ、更なる痛みを与えるぞ」