どうして好きって言えないんだろう

私が持ってたお弁当を指差す桐ヶ谷くん。





「うーん。1つはゴミ箱いきのお弁当だよ。」





もちろんそれは、澪李の。





「えぇっ?じゃあ、俺にちょうだいよ!ここじゃ、先生に見つかるから、空き室行こっ!」





まだあげるとも言ってないのに、目をキラキラさせて、私の手を引いて歩く桐ヶ谷くん。





澪李とも、こんな時期あったな…





もう、かなり前だけど…。





澪李は覚えてないだろうな…。





そんな事を思って1人、クスリと笑った。