ヒ~マ~だ~よ~


何もすることないのって、こんなにつまらないんだね。


お兄ちゃんといるときは、ずっと付きっきりで看病してたから、自由な時間が欲しいって思ってたけど、いざ時間があるとすることなくて退屈だよ・・・


何かないかな・・・


よし、掃除しよう!


しばらくまたできないからね。


お風呂掃除と、トイレ掃除と・・・


掃除機もかけないと!



「フンフン~♪」


やっぱり私は動いてた方がいいみたい。


ガンッ!



「・・・・・・っっ!?」


掃除機をかけていたら、足の甲に鋭い痛みが走った。


「いっ・・・たぁい!痛い!痛い!・・・っ」


私は足を押さえながら部屋中を片足で飛び回った。


「こんのやろ~・・・アルバムめ~!」


痛みの元は、アルバムの角。


私、何かアルバムに恨まれてる?


そういえばあんまり見たことなかったな。


「そっかぁ、お前は焼きもち焼いてたのね?
私たちがめったに見ないから」


じゃあ、見てあげましょう♪


おっ、これはお兄ちゃんの赤ちゃんのときの写真だ。


かぁわいい!


赤ちゃんの頃はかわいくて、今はカッコいいなんて・・・


うらやましいわ。


私のもあった。


これは1歳くらいかな?


つかまり立ちの練習をしてる。


昔はかわいかったのに・・・


バサッ。


「・・・ん?」


2冊目を開いたら、分厚い封筒が出てきた。


「お母さん・・・」


中に入っていたのは、お母さんの入院中の写真。


多分、看護師さんが撮ってくれたんだと思う。


私たちを膝の上に抱っこして微笑んでるお母さん。


幸せそうに笑っているお母さん。


私たちに見せたことのない、苦しそうな表情をしているお母さん・・・


お母さん、乳ガンだったの。


私が生まれたあとにわかって、1回は手術して治ったんだけど、再発しちゃって・・・


強い薬を使ったのに、結局治らなかった。


でもね、最期は笑ってた。


幸せそうに笑ってたよ・・・


パラッ。


何これ。


手紙?