屋上に行くと、クラスのみんながここにいた。


「勇生!」


「るな、こんなとこに来てなにして……えっ?」


クラスメイトがニコニコして立っている先。

下を見てみると、思わず笑みがこぼれた。


オレ、こんなに幸せでいいのかな…?


グラウンドには、不器用な、でも気持ちのこもったジンベエザメの絵。


「勇生ー!」


下で1人、大樹が手を振っている。


「大樹……」


「勇生!俺ら、応援するかんな!!
 お前なら、絶対大丈夫だから!
 絶対元気になって、一緒に修学旅行行こうな!」


ずっと頭にあった恐怖。

またあの治療をしなければならない。

いや、あれ以上のものに立ち向かわなきゃいけない。


でも……


「写真撮るぞ!
 勇生、頑張れ!はい、チーズ!!」


きっと、大丈夫だよな。


こいつらが、オレの生きる希望になるから。