笑美の肩を借りて、バカみたいに泣いた。
小さい子どもみたいに、笑美に思いっきり思いをぶつけた。
何でかな。
何でこんなに情けないんだろう・・・
気がつけば、笑美の服を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにしていた。
「うわぁ・・・ごめん!」
離れようとしたそのとき、笑美の手に力が入った。
「抗がん剤が、治療が嫌なら無理しなくてもいいよ。
でも、お兄ちゃんが一瞬だけでもいい、この薬を信じて治したい!って思ったなら、その気持ちを大事にして。
大丈夫。怖くないよ。
お兄ちゃんは死なない。
私が死なせないから!」
このとき、真っ暗だったオレの心に一筋の光が差した。
そうだ・・・
みんなと約束したじゃないか。
絶対に元気になって帰ってくるって。
白血病なんかに負けないって決めたじゃないか。
「笑美、ありがとう。
オレ、頑張るから・・・力貸してくれるか?」
「もちろん!一緒に頑張ろう!」
もう大丈夫。
絶対に治してみせるんだ。