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拝啓 春野勇生 様



お兄ちゃん久しぶり。

手紙を書くのはこれが2回目だね。

今日は、お兄ちゃんの命日。

離れてから、10年の年月が経ちました。

今、私は23歳。


そうそう！

お兄ちゃんに報告があります。

ずっと見てくれてたらわかってると思うけど･･･

看護師になりました！

高校は進学校の普通科に通って、レベルの高い看護大学に入学。

レベルが高いと言うだけあって4年間みっちり濃い講義を受けて、無事に国家試験も合格しました。


看護師になって1年、まだまだ不慣れなところもあるけど、しっかり頑張ってるよ。


初めての担当が中学3年生の女の子の担当なんだけど･･･

名前は、宮田 千沙（みやた ちさ）ちゃん。


名字に覚えない？

お兄ちゃんがサッカーのコーチをしていた3人のうちの1人、宮田 隼人くんの妹！


すごい巡り合わせだよね。

隼人くん、無事に病気も完治して、元気にサッカーしてるみたいだよ。

今度、家に連れてくるね。



あ、あと1つ。

彼氏ができました。

お兄ちゃんがいなくなって、勉強にしか力を入れらなかった私に、新しい景色を見せてくれた、そばにずっと寄り添ってくれた優しい人。

なんとなく、お兄ちゃんに似てる気がするの。

サッカーしてて、勉強できて、女の子にモテる。

最後のは、ちょっと嫌だけど･･･

でも、大切な人。

お兄ちゃんに、会わせたかったな･･･

私の自慢のお兄ちゃんだよ！

って。



でも、お兄ちゃんといれた時間はすごくかけがえのない時間だった。

ずっとサッカーばかりで、一緒にいる時間が少なかったから。


ありがとう、お兄ちゃん。


私のお兄ちゃんでいてくれて。



私、これからも頑張るからね。


お兄ちゃんが言ってくれた通り、笑顔のチカラでみんなの苦しみを和らげてあげられるように。



本当に、ありがとう。



春野 笑美

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