P.M. 1:30
「ただい・・・ま」
あれ?
お兄ちゃんがいない。
大樹くんとるなさんも。
でも、バッグはあるし・・・
「あっ、笑美ちゃん!」
「あ、水木さん。
お兄ちゃんと、お友達知りませんか?
売店から帰ってきたら・・・」
「さっき先生が勇生くんに話しちゃったのよ!」
「・・・?」
話したって、何を?
「私もうっかりしちゃって、病室の近くで先生と話しちゃってて……
肺炎ってことも、余命も全部聞かれちゃった」
「ええっ!?」
嘘でしょ先生……
何でよりによって今伝えちゃったかなぁ…
白血病ってこともあっさり言っちゃうし、このことまであっさり言わなくても……
「ごめんなさい、笑美ちゃん」
水木さんより、先生に謝ってほしいと心の底から思った。
でも今は、そんなことを思ってる場合じゃない。
「……大丈夫です。私、探してきます!」

