「先生、枕投げてすみません。
オレ…治療して、早く元気になりたいです」



“白血病”



まさかそんな重い病気になるなんて思ってもいなかった。


なんでオレなんだよ・・・


オレ、なんか悪いことした?


笑美、またお前に心配かけるな・・・


だから、治療して絶対元気になるって決めたんだ。


「いや、驚かせてしまってごめんな。
でも、先生も最善を尽くすと約束する。
だから、ついてきてくれるか?」


「はい…!よろしくお願いします」


オレの返事に、先生はホッとした顔をしていた。

伯母さんも、笑美も、涙を浮かべていた。

もう頑張るしかない。

早く元気になって、みんなを安心させてあげたい。


「では早速、土曜日から入院してもらいたいと思っています。
明後日の午前10時に3階ナースステーションに来てください」


でも、伯母さんと先生が話している間、オレの頭の中は不安だらけだった。


学校に行けない。

サッカーができない悔しさ。


治療への恐怖に、心の中で怯えていたんだ。



ギュッ


その不安を感じたかのように、妹の小さな手がオレの手をギュッと握る。


笑美……


そうだな、オレは1人じゃない。


笑美がいる。


心強い味方がいるから、頑張れるんだ。