しばらくして落ち着いた優人を、オレたちは病室まで運んだ。
「ありがとう笑美ちゃん。
1人だったら何もできないところだったよ」
「全然いいよ。
ねぇ紫乃ちゃん、これからどんどんこういうことは増えてきて、優人くんも精神的に疲れてくることもあると思うの。
でも、そんなときは落ちついて、優しく抱きしめて、大丈夫って声をかけてあげて?
不安にならなくてもいいよ。
紫乃ちゃんならきっとできるから」
「わかった。ありがとう笑美ちゃん」
「優人、またな」
「バイバイ」
笑美の優しい、力強い言葉はきっと紫乃ちゃんにも届いた。
オレも頑張んないとな。

