ヘディングで入れたオレの1点を最後に、試合終了のホイッスルが鳴った。



「うぉ────!!」


オレの周りに、みんなが走って集まってきた。


でも、オレの体力は限界を越え・・・


フッと体の力が抜けた。


「お兄ちゃん!
監督、氷を用意できますか?
足首を冷やして、腫れをひかせます。

大樹くん、お兄ちゃんの鞄から薬とお水を持ってきてくれる?

あと、保護者の方で救急車を呼んでいただけないでしょうか?」


動揺するみんなの声を静めるように、笑美の冷静でしっかりと指示をする声が大きく響いた。


「お兄ちゃん、大丈夫だからね。
お兄ちゃん・・・」


笑美の声が遠くなっていく・・・