大樹のシュートが弾かれ、コーナーキックになった。 敵FWのマークをしていたオレのところに、健太(けんた)先輩が駆け寄ってきた。 「ここのマークはオレがするから、勇生はゴールのファーから飛び込め」 ゴールのファー・・・ 今から蹴るコーナーとは逆サイドのこと。 今、オレにはノーマークだ。 「これって・・・」 健太先輩を見ると (決めろよ、勇生・・・!) 先輩がそう言ったように、頷いた。 決めてやる。 地面を蹴って、飛び出した。 「「「いっけ────!」」」