笑顔のチカラ~笑う門には福来る~



お弁当を食べ終わったあと、るなさんと一緒に四つ葉のクローバー探しをした。


お兄ちゃんはお昼寝をしていて、大樹くんは猫を追いかけてどこかへ行ってしまった。


「ねぇ、笑美ちゃんはどんなお願いするの?」


「ナイショです♪」


四つ葉のクローバーに願い事。

それは誰でも一度はしたことあるだろう。

私たちも探しながらそれぞれお願いを考えていた。


「え~教えてよ。
彼氏できますように?」


「ちがいま~す!
私はいいので、るなさんこそ何をお願いするんですか?」


「ふふっ、私はね・・・」


「ギャ━━━━━!」


ん!?


今の声・・・


「な、なんだ?」


シートでお昼寝していたお兄ちゃんもびっくりして飛び起きたみたい。


「大樹くん!?」


「お前、その鼻・・・」


慌てて駆けつけてみれば、大樹くんの鼻に赤い線が3本、くっきりついていた。


「あの猫のしっぽが気持ちよくて触ってたら、思いっきり引っ掻かれた・・・」


猫・・・?


右を見ると、ふっくらした猫がこちらを澄まし顔で見ていた。


私のしっぽに気安く触んないで!

と言うように。


「「「アハハハハ!」」」


「いってぇ・・・笑いごとじゃねぇよ」


「もう、仕方ないな・・・」


るなさんがカバンを取りに行った。


「ちょっと染みるけど、じっとしててよ」


「ん・・・」


手馴れたように傷の手当をしていくるなさん。



やっぱりいい雰囲気ね、この2人。


お兄ちゃんから2人のことを聞かされたときはホントびっくりした。


てっきりるなさんは、お兄ちゃんのことが好きだと思ってたから。


でも、今こうして見ると、お似合いだね。


しっかり者のるなさん。

マイペースな大樹くん。


意外といい感じ。


「さてと、オレは昼寝に戻るか」


私もクローバー探しをしようっと。