色々あったけど、楽しかった修学旅行もいよいよ最終日。
「うぉーっ!デカっ!」
3メートル以上もあるジンベエザメが有名、美ら海水族館にきた。
「すげぇ!行こうぜ、勇生!」
大樹、何でオレを誘うんだよ。
「バカ、一緒にまわるのは、オレじゃないだろ?」
「あ・・・」
「頑張れよ。大樹!」
「おう!サンキュ」
そう言って、急いで彼女のところへ走って行った。
彼女・・・
そう。
うまくいったみたいなんだ。
るなも、大樹のことは前から少し気になってたらしいんだ。
オレのことを気にしてたみたいだけど、なんとか大樹が説得してOKもらったって。
自分のことのように嬉しいよ。
大樹なら大丈夫。
必ず、るなのことを幸せにしてくれると思う。
「おーい!」
大樹が手を振って、オレを呼んでいる。
「勇生も来いよ。4人でまわろうぜ!」
るなが、クラスメイトの田口 由香(たぐち ゆか)も誘ったらしく、4人でまわることになった。
るなって、おとなしい子とか大好きだからな・・・
優しいから、ほっとけないんだよ。
確かに守りたくなるのはわかる。
背小さいし、体が弱いみたいだからな。
「春野くん、体調は大丈夫?」
「おぉ、もう元気だよ!」
意外なことに、田口から話しかけてきてくれた。
「よかった・・・私のお父さんがね、ガンで治療しているところをずっと見てきたから、辛いのはよくわかってるつもり。
私でよかったら、いつでも相談にのるからね?」
田口が優しく微笑んだ。
お父さん、ガンだったんだ・・・
あいつも辛かっただろうな。
「心強いな。ありがとう。
なぁ、1つ聞くけど、お父さんが治療してる姿を見るのって、やっぱりキツかったか?」
「うん・・・抗がん剤を使ってるときは見るのが怖かったなぁ。
お父さんなのに、違う人を見てるみたいで・・・」
「やっぱり、笑美もそうなのかな・・・」
抗がん剤治療のとき、たくさん笑美を傷つけてしまった。
陰で泣かせてしまった。
本当に、自分が情けなかったよ。
「笑美・・・ちゃんって、妹さん?」
「うん。オレ、親いないから笑美だけが唯一の家族なんだ。
でも、兄貴らしいことを全然してやれなくて・・・
抗がん剤治療のときも、何度も笑美を傷つけてさ・・・
それなのにあいつ、いつも励まし続けて世話してくれたんだ」
「そっかぁ優しいね・・・
じゃあ元気になった今、次は春野くんが支えていかないとね!」
「あぁ」
何でかわからないけど、田口には何でも話すことができる。
話すとき、しっかりオレの目を見て真剣に聞いてくれる彼女になら、正直に、安心して話せた。

