アイツは突然
私をギュッと抱きしめた。
「…俺は…お前のチビで強がりなとこも、本当は弱虫で泣き虫なところも、誰にも見えないところですげぇ頑張ってるところも…俺は全部知ってる。……それに、俺は……そんなお前が…好きだ。」
「!?」
「お前はいつも危なかっしくて、俺が守ってやらなきゃってずっと思ってた。ずっと助けてやりたいって思ってた。…お前は俺のこと嫌いかもしんないけど、俺はお前のことが好きだ。お前を守りたい。」
ーチュッ
私はアイツのほっぺに
優しくキスをした。
「知ってるよ。…だって、私もあんたと同じ気持ちだって気づいたから。あんたのこと大嫌いだよ。ウザいししつこいし。…だけどね、私はあんたがいないとダメみたい…。だからさ、ちゃんと今度は守ってよ。」
「あたりめぇだろ。お前は俺がいないと何もできないヒヨコちゃんだからなー。笑」
「うっさい。調子にのんな!」
アイツはいつも助けてくれた。
私が笑うときも
怒るときも
辛いときも
泣いてるときも…
私の隣にいたのは
憧れていた彼じゃない。
アイツが隣にいてくれたから
私は心の底から
笑顔になれたし
素直に涙を流せた。
私を守ってくれるアイツが
私にとってのヒーローだから。
私ちゃんと
あんたに恋してるよ。
ちゃんと
ドキドキしてるよ。
胸の奥がギューっと
苦しいよ。
「ちゃんと私の警備よろしくね、私のヒーロー。笑」
「大丈夫。お前を助ける前に、ちょっくらアイツをボッコボコにしてきたから。笑」
「何それ、ヒーローじゃなくて悪役じゃん。笑」
「愛するものを守るためだからいいんだよ!」
「はぁ?超ぉ〜意味不明!」

