いつもはふざけているアイツが
突然
真剣な顔で私の肩に手を置き
真っ直ぐ私を見つめてきた。
「実は…お前が嫌がらせされている原因は……お前もよく知っているヤツだ。」
「よく知っている…?」
「いいか?信じられないかもしれないけど、これは全部仕組まれてたんだ。……その犯人は…お前が好きな人だ。」
「…っ!?…もしかして…彼が?!全部彼の仕業なのっ!?」
私が驚いて聞くと
アイツは無言で頷いた。
「お前、アイツといい感じになっただろ?それは全部アイツの作戦だったんだよ。アイツのことを好きな女の子がいて、かなりしつこくアタックしてたみたいなんだけど、アイツも女の子の相手するのがめんどくさくなって、アイツは女の子の気を自分じゃない別な場所に向かせようとしたんだ。…そんで、それがお前ってわけ。」
そっか…。
だから、最近
ずっと私を助けてくれたり
二人きりになるようにして
私に気を持たせたり
わざと人の目につくようにしてたんだ。
私が彼と仲良くしてれば
絶対に彼を好きな女の子が嫉妬して
私に矛先を向けるようになる。
「…そっか……。」
「お前の様子がおかしかったから、ずっと警戒して見張ってたんだよ。アイツがお前に近づいたのはお前を好きだからじゃない。お前をただ利用してただけなんだ。」
「そっか…。そうだよね!私みたいなこんなチビ、相手にされるわけないよね!はぁ〜あ、期待しててバカみたい。笑っちゃうよね!」
「お前…。」
強がって笑ってみたけど
自然と涙が出てきた。
「私って…本当バカだなぁ…。何やってんだろ…?」
「そうだ、お前はバカだ!すげぇバカだし、それにチビだ!」
「はぁ?!あんた弱ってる私を追い込む気?」
「お前はチビのくせに強がりで、そのくせ本当は泣き虫の弱虫で、本当にバカだ。…だけど…俺は…」

