カーテンの隙間からこぼれる光とスマホから流れる好きな音楽で私は目覚めた。

シャッと勢いよくカーテンを開け「んー」と両手をあげて背伸びをする。

「よしっ!」

頬をパシッと叩いて気合いをいれ、着替えを済ませてから一階へ下りた。

エプロンをしてキッチンに入り、朝食とお弁当を同時に作っていく。

「…うっす。」

大賀見が手を頭の上で組み欠伸をしながら、ダイニングに入って来ていつもの席に座る。

「お、おはよ///」

私はキッチンから下を向いたまま挨拶をする。

なんか…

気持ちに気付いてから、まともに顔が見れなくて困る。

カタンッ…

大賀見が椅子から立って、こっちに近づいてくるのが見えた。

え?

なんでこっちに来るの?

ちょっと待って///

大賀見は黙ったままどんどん近づいてきて、そっと私の額に手を当てる。

「なんだ、熱ねぇじゃん。顔が赤いからまた熱があんのかと思った。」

「だ、大丈夫、元気だよ。看病してくれて…ありがとう///」

「なに?やけに素直じゃん。」

ニッコリと笑い、私の髪をクシャクシャとしてからキッチンを出て行く。

私は少しの間、呆然としていた。

なにっ⁈さっきの笑顔っっ!

メチャクチャ可愛い///

初めて見たその笑顔は、暖かく優しいお日様のような笑顔だった。

朝からあんまりドキドキさせないで欲しいんだけど。

大賀見の笑顔も私に触れる手も全てが心臓に悪い。

私はなんとか必死にドキドキを抑え料理をつくりテーブルに運ぶ。

今日も「美味い」と言ってパクパクと食べてくれる。

その姿を見ているだけで、とても幸せな気持ちになった。

二人っきりでの朝食を済ませ、私が洗い物をしていると

「俺、寄るとこがあるから先に行くわ。」

そう言って大賀見はいつもより早く家を出て行った。