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ブォー……

熱が下がったので、朝起きてすぐにお風呂に入り、髪や身体を洗いサッパリとする。

今はドライヤーで髪を乾かしているところ。

鏡に映った自分の姿を見る。

「……これ…か。」

首筋に赤い痣…………。

あの時の白咲くんは、とても怖かった。

突然、押し倒されて手首を押さえつけられ、身動きが出来なかった。

足で押し退けようとしても、白咲くんの体はビクともしなくて……

あの時、大賀見が来てくれなかったらどうなってたんだろう?

そう思うと恐ろしくて背筋が凍る。

大賀見が来てくれて良かった…。

私がピンチの時、いつも助けてくれるよね?

変なヤンキーに絡まれた時も、水を掛けられて上級生男子にからかわれた時も、茉莉花ちゃんにパパの事を言われた時も…

そして

今回の白咲くんの時も。





「これからは絶対に、俺がお前を守るから………」






抱きしめられながら言われた言葉を思い出す。

あれから、ずっと私の事を守ってくれてる。

この痣の事だって、大賀見が上書きしてくれたから…………






「大賀見だったらいいよ。」








「優しくする…嫌だったら逃げろよ。」







昨夜の事を思い出し、身体中が熱くなる。

熱があったとはいえ、なんて大胆な事を言ってしまってんだろう///

でも、あれは私の本心だった。

白咲くんにつけられた、この痣…

大賀見に上書きしてもらって、嫌な気持ちを消し去りたかった。

あの時……

「大賀見だったらいい」じゃなくて、本当は…

「大賀見がいい」だった。

今回の一件で、私は自分の気持ちに気づいてしまった。



私は…




ーーー 大賀見のことが



好きだ ーーー