今日から高校生活が始まる。

全教室にクーラー、パソコン、最新機能完備。

寮の部屋にはパソコン、シャワールーム、テレビ、トイレ、ベッド、
キッチンすべてが完備されている。

私は朝河晴香 16歳。

家は会社を経営する言わばお金持ち。

今までお金や対人関係で困ったことだってない。

そして私は自分でいうと荒れに聞こえてしまうが頭脳明晰で
中学で1年生のころからずっとトップに立っていた。

この学校には親友のあゆみもいるし。

これから華やかな高校生活が始まる。

そう思い私は機嫌よくしていた。


しかし…これは一体どういうことなんだろう。



「それでは!入学人数200人!
皆様頑張って人殺しをしてこの高校を卒業して下さい!」

私は茫然。

もちろん周りの人達も。

こんなこと知らなかったのだろう。

理由は10分ほど前、入学式が始まり学園長のあいさつが始まった時だった。


「皆様こんにちは!」

私の耳に届いたのは澄んだソプラノの女性の声だった。

おじさんをイメージしていた私を見事に裏切ってくれて私は壇上の上を見る。


そこには長い髪のまだ若い小柄な女性。

「入学おめでとうございます。
私はこの高校の学園長の真【しん】です。」


名字を言わなかったのが気になったけど別に気にするほどの事でもないので私はスル―。

もちろん周りの人もそんな事に気がつかない。

でも、次の言葉で全員の表情が変わった。

「この高校を卒業するにはほかの高校と同じように単位が必要です。
しかし…この高校は違います…。
この高校では【人殺し】で単位を取ってもらいます!」



冗談にしては過ぎる冗談。

全員嘘だと思って学園長の言葉を笑っている。

私も冗談だと思って眉間にしわを寄せた。

冗談でもそんなことを言ってはいけないでしょう…。

「この学校で単位を取るためには人を殺すしかないんです。
3年間で卒業しようと思ったら少なくとも20人は殺さないといけません!」

その言葉に流石に入学してきた1年は不思議に思う。

だってその言葉に笑ったりしているのは1年生だけ。

3年生、2年生、そして教師たちまでもが普通の顔。


「ちなみに殺していいのは全校生徒です。
自分より学年が下の生徒は殺してはいけません。
しかし相手が先に殺そうとしてきた場合のみ殺すことを認めます。
ということは1年生の間にたくさんの人を殺して
3年間で卒業できるように頑張りましょう!」


これはさすがにおかしくない?

「でも…ただ殺して終わりではありません。
その遺体をだれにも見つからないように自分専用の巨大ゴミ箱に入れて下さい。
しかし…その場面を誰かにみられてしまった場合、
その人を殺さないと自分が死ぬことになります。
この辺りは後で細かく説明しますね?」


1年生はこれが冗談だと思えなくなってきてカタカタ震える。


中には目にいっぱい涙をためて目をつむる子もでてきてしまった。