_優芽side



腹黒教師に半ば無理矢理演劇部に入れられた今日一日
腹式呼吸とか中学の時に音楽でやったきりだし
ダンス部でさえやらない。今日は部活がなかったからいいけど
演劇部…でもこれから勉強を頑張るってのはもっと嫌だ。面倒くさいし。


「ってなわけで、昌也も演劇部入ってね。」

「はぁ?なんでだよ」



言うと思った

私は昌也が横になっているベットに座り話した



「私だけ演劇部に入ったらいじめの標的でしょ?あの2人に苛められるのは絶対に嫌だ。最近宥めたばっかだし」

「俺が入ってどうこうなる話じゃないだろ?」



これも言うと思った。
だから私は腹黒教師が持ち掛けるであろう話を
今持ち掛けることにする。




「昌也も卒業できないよ?私と成績は同じだし、バスケ部部長って言ったって全国までは行ったことないでしょ?推薦だって無理。しかも大学入ってバスケ続けたくないって言ってたよね。どうやって卒業するの?」

「お前に口で勝てる気はしねぇよ…」

「でしょ?新にも言われた。」

「わかった。入るには入るけど、人数集まんなくて廃部になったらどうすんのさ」

「今週中に3人でも集まれば廃部は延長になるだろうし、私は女だよ?その気にさえなれば部員ぐらいすぐ集められる」

「体売んの?演劇部の為に?」

「卒業のため。」

「お前さぁ、本当は演劇部に入りたかったんだろ?高1の頃、こっそりチラシ貰ってたの知ってるし昔から芸能界に入るのが夢だったんだろ。」




昌也は起き上がると私に寄りかかってきた。


図星だ。確かに私は演劇部に入りたかった
この学校には吹奏楽部や合唱部など音楽に関わる部活動がない。歌手になることが夢だった私は演技力を身に着けたくて演劇部への入部を希望したことがあった。けど私は底辺にいる気もないしダンスだって学びたい。




「あー、はいはい確かに私は演劇部に入りたかった。でも人気がなければ学校生活だって退屈でしょ?堕ちてまで演劇部に入る気はない。」

すると彼は私に軽くキスをして

「…わかった。俺も入るよ」



優しく微笑んでくれた