_愛美side





全ての授業が終わり放課後_




「あーっ…とお名前は?」

「秋成優芽。知ってるでしょ?」




いつもの様に部室へ足を運べばダンス部。秋成優芽が居ました…




「うん…あ、入部してくれたんだよね。ようこそ演劇部へ」

「…うん」





何を話せばいいのか全く分かんない…
というかまさか本当に来るとは思わなかったし。




「ねぇ」

「は、はい!?」

「演技ってなにすればいいわけ?」



予想外の質問に少し驚く

え、もしかして演劇に興味あったり…?




「入ったのに卒業できなかったとか困るんだけど」



ないですよね…



「えと…演技は、役になりきるの。ドラマとかだってそうでしょ?俳優とその役の性格はかけ離れてる」

「説明はできるのに大会出場経験はないと…」




うっ…それ言われたら終わりじゃん




「ははは… じゃあ始めよっか。まずは発声練習からなんだけど、やり方はわかる?」

「あーって叫ぶやつ?」

「それもそうだけど…んーじゃあまず腹式呼吸からやってみよっか。鼻から吸って口から吐くんだけど、吸う時に空気を肺に入れるのが肺式呼吸。腹式呼吸は吸った時お腹を膨らませるの」

「あーなんかやったことはあるかも。こう?」




優芽が腹式呼吸をやってみせた

経験者なのかな。腹式呼吸って結構できない人多いんだけど…




「そうそう。上手いねもしかして経験者?」

「昔、歌手になりたかったから。一応このぐらいはできないとって」




歌手か…
凄いなー…私は歌が下手すぎてカラオケにすら友達と行けない




「そういえば部員、もう一人来ると思うよ」

「え?」





もう一人来る?




「中森昌也。バスケ部の」




え、え!?




「中森昌也って…バスケ部の部長じゃ…?」

「うん。私の彼氏だし、言えばくる。っていうか言うよ道連れにしたいし」




あの人が彼氏って…やっぱすごい人なんだなこの子…





「あと何人部員が必要な訳?」

「えっ、あー…私の他に今日は事情合って休みだけど優斗って子がいて…4人となると、8人ぐらいかな。裏方含めて」



こう考えると凄い多い…でも廃部にはしたくないし
頑張らなきゃなぁ。




「ふーん…じゃ、私の方からも誰か誘っておくね。」

「え、いいの?」

「うん。だって廃部になったら卒業できないし」




この子、見た目大人しそうなのに
結構言うな…



「ありがと!えっと…優芽ちゃん?」

「優芽でいいよ。そんなに私怖い?この前廊下歩いてた時貴方根暗そうな男の子の腕引っ張ってズカズカ歩いてたからそうとう気の強い子かと思ってたんだけど。」



人は見かけによらず
今日の演劇部で学んだことはこれに限ります!