巨大な宝石型水槽の裏側に在ったハシゴを伝い、 降りてみた。
あんなに美しかった都も 今となっては只の観光遺跡だ。
私は 我に返り 紅月を 探した。
「紅月… 紅月…!!」一心不乱に 探すも 見つからない。
宝石に寄り掛かる屍の 衣装を見て はっとした。
「紅…月…?」
見覚えのある ボロボロになっている 色あせた水色の 水干に これもまた 色あせた 紫色の ハカマ。
腹部には サビた刃物が刺さっている。
「そんな… 何で…ッ!! 嫌ぁぁぁぁぁ 紅月!!
目を覚ましてよ!! また私の 名前呼んでよ… 紅月―…!!」
しかし 屍は何も語らない。 まさに 死人に口なしだ。
正面を向いたまま只座っている 黒い双眸の 無機物が 何を語ろうか。
私は 只 呆然とその場に座り込み 骨を 見つめた。
― 受け入れられなかった。 否、 受け入れたくなかった。
何故私 1人がのうのうと 生きてきたんだろうか。
ふと 紅月の 水干の襟元に 紙が入っているのが見えた。
申しわけない と 思いつつ開いてみる。
それは色あせた 私 に 対する手紙だった。
女性のように細く美しい文字で書かれていて 懐かしさのあまり 涙が止まらなかった。
あんなに美しかった都も 今となっては只の観光遺跡だ。
私は 我に返り 紅月を 探した。
「紅月… 紅月…!!」一心不乱に 探すも 見つからない。
宝石に寄り掛かる屍の 衣装を見て はっとした。
「紅…月…?」
見覚えのある ボロボロになっている 色あせた水色の 水干に これもまた 色あせた 紫色の ハカマ。
腹部には サビた刃物が刺さっている。
「そんな… 何で…ッ!! 嫌ぁぁぁぁぁ 紅月!!
目を覚ましてよ!! また私の 名前呼んでよ… 紅月―…!!」
しかし 屍は何も語らない。 まさに 死人に口なしだ。
正面を向いたまま只座っている 黒い双眸の 無機物が 何を語ろうか。
私は 只 呆然とその場に座り込み 骨を 見つめた。
― 受け入れられなかった。 否、 受け入れたくなかった。
何故私 1人がのうのうと 生きてきたんだろうか。
ふと 紅月の 水干の襟元に 紙が入っているのが見えた。
申しわけない と 思いつつ開いてみる。
それは色あせた 私 に 対する手紙だった。
女性のように細く美しい文字で書かれていて 懐かしさのあまり 涙が止まらなかった。
