「私はラピュール王国の姫なのよ。」
ラピュール王国。
それは私が生まれる10年ほど前に没落したと言われる王国だ。
現在はラピュール王国があった大陸の西には旧王国の廃城と遺跡あるだけ。
「もしかしてここはラピュール城なのですか？」
きっとそうだ。
よく見れば壁に掛かった大きな肖像画の中の人を見たことがある気がする。
「ええ、私の王国は滅ぼされてしまったのよ。」
ラピュール王国の没落は何が原因だったのだろう？
今の最大都市のフルンなのかもしれない。
姫は続けて言う。
「私の王国を滅ぼしたのはフルンだと思うでしょう？でも、違うわ。」
「じゃあ誰に？」
間髪を入れずに聞く。
「わからない、ただ私の王国が没落した影響が今出てきてしまったのね。遺跡に封じられていた魔術が解き放たれて、ラリマー大陸に住む何人かにも被害をもたらしてしまったの。」
ラピュール王国はかつて最大の魔法都市としても有名だった。
封じられていた魔術はとても強大なものなのだろう。
「私はどうすれば良いのでしょうか？」

この依頼は予想以上に大変な予感がした。