夜の終わりに願うこと。



「...今日が、最後なんだ」

そう小さな声で彼は言った。

それがどういう意味を表しているか。
今日で私は生涯を終えるということ。


「そっか、今日か」

「....うん」

「今まで、ありがとう」

私がそう言えば、彼は顔を上げて
哀し気な瞳で私を見つめる。

「....後悔は、ない?」

「ないよ」

「本当に?」

そう言った彼の瞳から、思わず目を反らした。それは余りにも真っ直ぐで、綺麗な瞳だったから。