夜の終わりに願うこと。



『死にたくない、なんて、思ってないよ
 それに人はいつか、必ず死ぬんだから』

"それに"と言葉を紡ぐ私を、彼は静かに見つめていた。

『貴方が私を迎えに来てくれたんでしょ』

そう言えば、彼はまた少し驚いたように眉を上げて、それから視線を落とした。


「ごめんね」

そう、白い部屋の窓際で
哀しい声がひとつ転がった。


「...どうして、貴方が謝るの?
 私は平気だよ」

私の問いに、彼は何も言わずに俯いた。