それから毎日のように、彼が私の前に現れては、ふたり他愛ない時間を過ごしていた。私がどんなに素っ気なくしても、彼は楽しそうに色んな話をした。 けれど、どれくらい経った頃か、彼は急に黙り込んでは、はっと我に返ったように笑う、というより口角を上げる、そんなことが多くなったのだ。 そんな彼を見て、自分がもうすぐ死ぬのだと、そうはっきりと解った気がした。 『私って、あと何日で死ぬのかな』 そう言って笑って見せれば、彼は 『...それは、言えない』 そう、いつもより低い声で言った。