夜の終わりに願うこと。



「...これからも、また、会えるよ」

「うん」

「...たくさん話もしよう」

「うん」

「...まだまだ、面白い話があるんだ」

「うん、楽しみにしてるね」

「.......約束、また必ず...だから」

そう言って彼は、伏せめがちに微笑んで、そっと私へと掌を差し出した。


なんて優しい嘘だろう。

もう、"また"なんて、ないというのに。

叶うことのない約束は
月が拐ってくれたらいい。