「おい女」 背後から低く、艶のある声が聞こえた。 乃春は声のした方へ振り返る。 そこには漆黒の馬にまたがった男がいた、髪は金色に輝き肩の辺りで揃えられ瞳は血を連想させるように赤い。 男は馬から降り乃春の元へ近寄る そこで改めて男の顔を確認した。 あの船で見た人達に髪や目の色が似ている やはり船に乗せられてこんな訳の分からない所まで来てしまったのか。 と思ったのも束の間、鋭く冷たい眼差しが乃春を捉え今にも殺しそうな殺気を放っている。