もう会えない……



 頭がガンガンした。
どうしよう、そんなの絶対に嫌だ。



でも相澤家の人たちは…?



「相澤君は、私に会えなくても平気? 私は嫌です、君と会えなくなるなんて」

 彼がうなだれる。


 その様子を見ながら高宮さんに会えなかった日々を思う。
辛くて悲しかった。



今このチャンスを逃したら今度こそ本当に会えなくなるんだ……。


 おれは決心した。


 「わかった。おれも家を出る。前に散歩の途中で出会った公園の植え込みの陰で今夜待ってるから」


 「嬉しいです。じゃあ、これからずっと一緒に居られるんですね? 相澤くぅん、大好きです」

 そう言うと高宮さんは、おれに飛び付き顔中舐め回した。