「失礼しまーす」

生徒会室の中は思ったよりも広かった。

「うわー!椿ちゃんじゃん!
どうしたの?」

一人の男がこちらに近付いてくる……が
シカト。

私は暁人に用がある。

「暁人……わかってたんでしょう?」

私が今日ここにくること。

だから、またねって言ったんでしょう?

暁人は肩を震わせている。

正解……か。

「おい!暁人!
お前、椿のこと……知ってたのか?」

竜はさっきとはうって代わり
低い声を出していた。

何?怒ってるの?

「んー。朝会ったんだよね。
ほんと、それだけだから」

暁人が困ったように眉を寄せた。

「ま、久しぶりだね。竜鬼」

「おー。お前に最後に会ったのは……
半年前の暴走の時か?」

「そうだね」

え。何?このゆるーい空気。

さっきまでのピリピリ感はどこへやら。

優しい雰囲気に変わっていた。

「ねー。聞いてる?
俺の話」

そこに忘れていたあの男が割り込んでくる。

「聞いてる……気がするか?」

どこからか響く低音ボイス。

ソファの上からまた1人の男が。

いたの!?ってくらいわかんなかった。

彼は私を見ると驚いたように目を見開く。

今日、皆目を見開いてばっかりだな。

なに今日、そんなに驚くことでもあるの?


「思わないね」

少し間をあけて、へらっと笑ったあの男。

なんか、うざい。

「僕もそう思う」

ニコッと笑って私の隣にきた可愛い男の子。

だってあいつ、うざいもんね。

と言って、意地悪そうに笑った。


可愛い!!
男の子だけど。


「さ、話を進める前に。
自己紹介でもしようか」


暁人がパンッと手を叩き、
謎の自己紹介スタート?