「俺、こっち戻ってきたから」

そうだよね。
ここにいるってことは。
へへっ。そっかぁ。
帰ってきたのかぁ。

「お帰り!竜!」

「あぁ。只今」

嬉しくて頬が緩む。
懐かしい、この感じ。
小学生の時に別れて以来。

「なぁ、俺の親友がここにいるはずなんだけど……椿、お前知らねぇか?」

「ええっ!?」

竜。親友いるの?
そんな不良なのに?

あー、でもいるか。
私も百合っていう大事な親友がいるもんね!!

「んー。親友の名前……なに?」

「暁人。金崎、暁人」

「………………」

「知ってるか?」

「「ええっ!?」」

百合と私が叫んだのはほぼ同時。

暁人って…………あの暁人!?

「知ってる知ってる……」

知ってるも何も朝会ったばっかりだしね!

頭の中は混乱。

竜と暁人が親友……?

はは。なんの偶然だろうか。

「マジで!?
暁人のとこに連れてってくんねぇ?」

竜は嬉しそうに嬉々として話す。

私は嫌な予感しかしないんだけど。

「暁人なら……たぶん……」

百合にあとはよろしくとお願いして
暁人がいるであろう場所へ向かう。



「は…………?
生徒会室??」

竜は驚いたように目を見開いている。
この様子だと竜も聞いてなかったのね。

ーーコンコン

控えめなノックを2回。

「開いてるからはいってー」

やけに落ち着いた声が聞こえた。

来たくはなかったが仕方ない。
私はほんの少し、
暁人たちと関わることに決めた。